列島縦断 鉄道12000Kmの旅 最長片道切符でゆく42日

 という番組を結構よく見ていた。ものすごく大変そうな旅ではあったが、それでも、日本のたくさんの景色をリアルに見ている感じがあった。その日そこが雨であればどんなに晴れを望んでも晴れであるし、台風だってくる。季節は春から夏へと移り変わり、その勢いを遡るかのごとく北から南へと進んでいく。
 車窓からのぞく景色は、北海道ではまだ冬だったのに、終着の時点では真夏の装いを感じさせていた。下手な旅番組でここには秘湯がある、ここの旅館は素晴らしい、これが旨い。そういうのをよく見るが、この番組はそうではなくて、移動する事がメインであった。だから、旅人の関口知宏さんの食べていた駅弁を全て紹介するという事もなく、何処に止まったかなどという情報もなかった。
 淡々と流れていく、国営放送ならではの旅の記録、その切り取られた42日は日本の、日本らしい風景を確実に残していた物だと思う。いつしかこれが資料映像のようになるのではないかと思ったりする。
http://www.nhk.or.jp/tabi/index.html