晴れ。

 今日新潟は晴れであった。今日は、前に行ったとおり、私の、いや、我家の引越しの日である。しかし何というか、ここまで書いてみてであるが、MS-IME使いづらいぞ!

 引越し自体はもう何というか引越しのプロのおかげで半日で終わってしまった。それはもうあれよあれよといううちに、家の中のものがなくなっていくのである。今週のビックリドッキリメカ的な気持ちである。

 で、物がなくなってガランとした部屋を見て、何となく感傷的になりつつも、腹の都合を抑えきれず昼ごはんを食べに出かけたわけである。そしたらば、いいものに巡り合えたのだ。穏やかな天気に越後七浦シーサイドラインを飛ばしていくと目に映ったのは、春色の海である。なんと言うか、車を止めずにはいられなかった。目の前の美しく、春の装いをした日本海を眼に焼く付けておきたくてどうにもならなくなった。そして、自覚した。自分は海のないところへと行くのだと。潮の音を聞くことのないところに行くのだと。

 何となく感傷的になった。ただ、思うに、今日新潟市の桜が咲いてくれたのも、角田山が春色のピンクの装いを見せてくれたのも、この土地が自分を送ってくれていると自分勝手に思っていいかなと思った。あの土地では感じることのできなかった、春を感じさせてくれたのだから。

 もっと、海岸線の美しさとか、祖母との話とか、ノスタルジックな想いとか、そういうのは全部ひっくるめて心にとっておくことにしようと思う。ただ、日本海側の人間にはわかると思う。日本海には四季のうつろいがあるということが。そして、それを普通だと思っていることを。四季を感じることを失えばどうでもいいことでもあるのだから。