社会思想社のTRPG

 私が子供の頃に、一冊の本を手に取った。トンネルズ&トロールズ*1のルールブックである。ゲーム自体にも思い入れがあるのだが、この本は私の中で結構資料的な価値が高かった。魔法に対する考え方が明記されていたり、武器が細かく紹介され、しかも挿絵迄付いていた。
 正直それまでは、ファンタジー関連の資料というか、書籍というか、まあ読んだことはなかった。確か、小学五年くらいだったかなぁ……。ゲームブックにちょっとはまった所から*2そういうモノに興味を示してきたのである。
 でまあ、ブロードソードってどんなモノか、サーベルって何か、レイピアはどういうモノか? ブラジオンって、ただの棍棒かよ! みたいに思った。武器防具の解説が私の中であのルールブックは秀逸だったと思う。……その後に、ロードス島戦記に填るわけであるが、それを読む際に簡単に広刃の直刀というモノが想像できたし、どういう使い方をするかも、理解していた。切るではなく、叩く、みたいな部分である。レイピアは突くものだというのも知っていたし、つまり、あの本のおかげでファンタジーを読む力が付いたと言っても過言ではないと思う。
 で、まあ、後に資料として今は亡きスニーカーG文庫のガープスも買ったりしている。ああいうものの設定的な部分を自分の中に取り込んで、自分の作品をいつか書きたいと思っていたのである。あまり、その辺りは成功していないが……。
 社会思想社自体が今存在しないわけで、あのルールブックは実は古本としての価値があるのではないかと、感じている。まあ、手放すと言うこともありえない代物である。今は亡き友人の誘いから全ては始まったことなのだから。それを手に取ると言うことは、その友人を思い出すと言うことであるから。

 ……なぜ、こんな事お思い出したかというと、ちゆ12歳のページにそんな感じのことが書いてあったからです。

*1:T&T

*2:スティーブ=ジャクソン系